第1話 小娘

なんか怪しい男。ご自由に続けてくださ~い!


 ギラギラと太陽が照りつける灼熱の夏。蝉の声が鳴り響く人通りの少ない田舎道に、洒落た者がやって来た。

 そこにおさげをした小娘が、ぽつんと立ち尽くしていた――六歳くらいの小娘で鼻水をたらしながら、自分の指をチューチューしゃぶっている。

「おじょうちゃん、今日は暑いね」と洒落た者は、なれなれしい口をきいた。
「……うん」
「かわい子ちゃん! あいすきゃんでぇ好きかい?」

 小娘は無言のままそっぽを向いた。

「べっぴんちゃん! おてんばちゃん! これをみてごらんなさい――」

 手品師のような手つきで、ぱっと物をだした。

「あいすきゃんでぇだよ。ちべたぁ~く冷えた、あいすきゃんでぇ欲しくないかい?」男はあいすきゃんでぇを片手に猫なで声をあげた。「そぉーだぁあじのあいすきゃんでぇ。おいしそぉーだぁろう?」
 
 小娘はごくりと生唾を飲んだ。

「……しらないひとから……ものをもらっちゃいけないって……ママが……いってたもん……」と小娘がいって、なぜか赤くなった。

「ねえ、どうして赤くなるんだい? おやおや! 取って食いやしないよ……」そして洒落者はその場にしゃがみこんで手を叩いた。「さあ、おいでおいで! おじょうちゃん! こっちにおいで!」

 にっこり微笑む。「おやおや! なんでもないさ! きれい子ちゃん! さあ、おじさんのあいすきゃんでぇをうけとってごらんなさい」

 小娘がおそるおそる、震える手で彼からあいすきゃんでぇを受けとった。

「うぶなんだな」と決めて、小娘の頭をなでなでした、つぎの瞬間だった。

 


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ぼっち

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