第2話 黒魔術師

殺しちゃいけない!


前のエピソード

『た、たいへん申し訳ありません……部下に任せたわたしのミスなのですが……今朝あなたに引き渡したのは……と、とんでもない奴でした!」電話の向こうの依頼人は、動揺を隠しきれず声が震えていた。『――もう殺してしまいましたか?』

「まだ殺しちゃいねえが、顔をバッチリ見られちまってるからなあ……運が悪かったな。もし、こいつが相当ヤバい奴なら料金も上乗せさせてもらうぞ」

『待って、待ってください! そいつは悪名高い黒魔術師で、奴の呪いにかけられたら最期、もう手遅れに――』

「待て」

早口に言葉をさえぎった。

いまこいつは何と言った?

「おい、この男、黒魔術師なのか?」

『はい。全世界で恐れられている“呪いの神”藤原という者で……」

「ふっ、そんな迷信信じねえよ。じゃあな」

電話を切った。そしてハチに命じる。

「よし、やれ!」

「へ、へい!」

ハチは力任せにドラム缶を押しはじめた。「よいしょ、こらしょ」

東京湾でドボンと水しぶきが舞いあがった、その時だった。

地獄の底から湧きあがるような低い唸り声が聞こえた。

「おまえら一生後悔することになるぞ」

 

 


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