第3話 異形の者

こんなにも爽やかで馬鹿げた朝にはもううんざり。お仕置きタイムの始まりだ。


前のエピソード:

 こんなにも爽やかな朝に、ハナは突如記憶を失い、巨大スズメに拉致される。

 こんな馬鹿げた朝があっていいものだろうか?

 ここまで僕をバカにするような世界なら、僕もこれ以上黙ってはいられない。

「変形、飛行形態」

 ひとりぼっちになってしまった部屋で、僕はボソッと呟いた。

 その一言で、僕の意思とは関係なく身体中に力がみなぎる。そして平凡男子ど真ん中だった僕の容姿からは想像もつかない異形の者へと姿を変える。

 はっきり言って変形などしたくはなかったが、このバカみたいな状況を打破するにはバカみたいな必殺技があってもバチは当たらないだろう。両親以外にこの姿を意図的に見せたことはない。

 僕は背中の羽を2、3度羽ばたかせ、久しぶりの飛行に少しだけ……少しだけワクワクしていた。

 両親に捨てられる原因となったこの姿で、僕は割れた窓ガラスの隙間から飛び立った。

「っておい!」

 窓辺から飛び立った直後、目の前の歩道で巨大スズメと遭遇した。豪快にハナを連れ去った割には移動距離が短か過ぎやしないか?

「ち゛ゅん゛?」

 僕に気付いた巨大スズメは小首をかしげ、無駄に可愛さアピールをしているが、鳴き声の音圧は相変わらず。

「まぁいいや、探す手間が省けた」

 この姿をあまり人目にさらしたくはない。みんな怖がって逃げるからなって、あぁ……案の定目を覚ましたハナが僕の姿を見てまた気絶したが、僕だってことには気付いていないだろう。

「ある意味好都合だが」

 ハナはすでに気絶している。とりあえず、これから始まる巨大スズメの血みどろ虐殺シーンは見せずに済みそうだ。


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南国アイス

日本との時差2時間の南国に住むアイス。 最近Webサービスを作ってみました。 https://t.co/amYDgswleG https://t.co/U4OqnQjZWt
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